第794章セシリアの妥協

ジュニパーはセシリアの病室から歩き出た。

心はまだ重かったが、それでも安堵のため息を漏らした。

セシリアは衰弱しているにもかかわらず、依然として強い威圧感を放っていた。

どうしても必要でなければ、セシリアにアラリックとの和解を説得しに来たりはしなかっただろう。

セシリアに「あなたの夫にずっと好きな人がいること、気にならないの?」と言われたときは、正直、胸に突き刺さった。

気になった。

とても、気になった。

今アラリックに対してどんな感情を抱いていようと、夫が常に別の女性を想い続けていることを、彼女のプライドが許さなかった。

しかし、今は選択の余地がない。

セシリアを説得し、ア...

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