第133章 彼女の赤ちゃん……

仁和病院、産科の廊下。

須藤寧音は顔面蒼白のまま、長椅子に座り込んでいた。

腹の中の二人の小さな命が、やけに落ち着かない。病院の敷地へ足を踏み入れた瞬間から、ぐるぐると暴れるように胎内が波打ち、鈍い下腹の重みが何度も襲ってくる。

文さんが肩を支え、そっと腰を下ろさせた。

「寧音、怖がらないで。先生のほうはもう手配してある。あとはそのまま行くだけよ」

須藤寧音は、どうにか口角を持ち上げた。

「文さん……大丈夫。少し休めば平気だから」

「じゃあ、ここで待ってて。私、支払いと薬を取ってくる。動いちゃだめよ、絶対に。勝手にどこか行かないで」

念押しするように言い残し、文さんは伝票を握...

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