第137章 出ていけ

K国、レオンの私邸。

雨は容赦なく叩きつけ、天地のあいだに灰色の雨幕が垂れ込めていた。

古川寒弥は広い床までの窓の前に立ち、降りやまぬ雨を冷えた眼で見下ろしている。背後の本革ソファでは、レオンが気だるげにウイスキーを揺らした。氷がグラスの内側へ当たり、チリン、と乾いた音が鳴る。

「わざわざK国まで来て、俺に女を一人寄越せって?」

レオンはくすりと笑い、青灰の瞳に戯れの光を宿した。

「古川。らしくないな。てっきり、もうとっくに飽きたと思ってた」

古川寒弥はゆっくり振り返る。深い黒の瞳がレオンを射抜き、低い声が部屋の空気を押し潰した。

「西川星奈はどこだ。出せ」

「確かに、うちに...

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