第17章 初めての動揺

 

西川星奈を宥めはしたものの、古川寒弥はこの件をすぐに頭の片隅へ追いやれなかった。

オフィスへ戻るなり、特別補佐の周防一洋に内線を入れる。

「調べろ。西川星奈に届いたあれは、誰が送った」

声に感情は乗らない。

「それと、彼女が最近……誰と接触してたかも洗え」

受話器の向こうで、周防一洋は主人の声色に微かな異変を嗅ぎ取った。

社長がこんな口調で西川さんのことを口にするのは初めてだ。

余計なことは訊かず、ただ恭しく応じる。

「承知しました、古川社長」

……

調査結果を待つ二日間、古川寒弥の苛立ちは増していくばかりだった。

思い出すのは、須藤寧音のことばかり。

病院の廊下...

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