第23章 遠いからの招待

 

「寒弥さん……」

西川星奈の怯えた声が、息の詰まる沈黙を破った。

彼女はおずおずと古川寒弥の袖をつまみ、赤く滲んだ目で見上げる。まるで世界中から理不尽を押しつけられたみたいな顔で。

「寧音さんが……私のこと、勘違いしてるんじゃ……? ほんとに、私――」

涙と弱さで同情を引き出す、いつもの手口。

「寒弥さん、あの時のこと……」

「……もういい」

氷みたいに冷たい声が、前触れもなく彼女の言葉を断ち切った。

古川寒弥は西川星奈を見た。深く底の見えない黒い瞳に、初めて「見定める」色と冷淡さが宿る。

彼は何事もなかったように、自分の腕を彼女の手からすっと抜き取った。

「祖父さん...

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