第24章 古川寒弥、あなたは狂ったのか?

 

夜は、もう更けていた。

星市第一病院――入院棟の出入り口は閑散としていて、ぽつん、ぽつんと立つ街灯だけが地面に長い影を引きずらせている。

冷たい夜風が、須藤寧音の額の後れ毛を乱した。

彼女はトレンチコートの前をきつく合わせる。もともと血の気の薄い顔は、白すぎる灯りの下でいっそう透けて見えた。

手の中のエコー検査の紙。強く握りしめすぎて、端は毛羽立っている。体温はとっくに消えて、残っているのは冷えた紙の感触だけ――今の胸の内みたいに。

『……双胎妊娠。うち一つの胎嚢は形が不整で、周囲に帯状の液体貯留を認めます。安静を要し、切迫流産に注意……』

医師の硬い声が、何度も耳の奥で反響...

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