第38章 双子

 

「クラウド」クラブから逃げ出したあの夜、須藤寧音は高熱を出した。

小寺蘭のアパートで、二日間ほとんど意識もなく寝込んだ。焼けるような熱にうなされ、意味のつながらない言葉を何度も繰り返す。

蘭は青ざめ、片時も離れずに付き添った。冷たいタオルで額を拭き、脇に挟み、氷嚢を当てる。とにかく身体を冷やし続けて、いちばん危険な山を越えさせた。

目を覚ました頃には、窓の外はもう真昼の光だった。

熱は下がっている。けれど胸の奥に居座る冷えだけは、むしろ深くなっていた。

このまま沈んでいるわけにはいかない。

祖父の病は、これ以上先延ばしにできない。

須藤豪というならず者が、次に何をしでかすか...

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