第69章 須藤寧音、お前の心は石でできているのか?!

アパートの廊下を照らす薄暗いブラケットライトが、三人の影を歪んで不気味な形に引き延ばしていた。

時間が、そこで止まったかのようだった。

古川寒弥は、まるで地獄の底から這い上がってきた悪魔だった。全身から、凶暴な気配が噴き出している。

立花徹はさりげなく須藤寧音を抱いていた腕をほどき、彼女を自分の背後へとかばった。

古川寒弥のぞっとするような眼差しを真正面から受け止めても、レンズの奥の瞳に怯えはない。

「古川さん」

声はいつも通り、やわらかく澄んでいる。だが同時に、決して踏み越えさせない一線もにじませていた。

「こんな夜更けに他人の家へ押しかけるなんて……感心しませんね」

「失...

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