第76章 お母さんを探しに行く

国内――午前4時。

プライベートジェットの轟音が、静まり返った夜空を引き裂いた。市内中心部の総合病院、そのVIP専用通路に古川寒弥が姿を現したとき、彼の全身には、上空1万メートルからそのまま降下してきたような、鋭く張りつめた冷気がまだまとわりついていた。

救命処置室の扉の上。あの目に痛い赤いランプが、廊下で焦れて待つ者たちを、無機質なまなざしで見下ろしている。

「古川社長!」

待機スペースの長椅子から、一つの影が勢いよく立ち上がった。西川星奈のマネージャー、太田だった。

手入れの行き届いた顔には涙の跡がいく筋も残り、表情は怯えと混乱に崩れている。古川寒弥の姿を見つけた瞬間、ようやく...

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