第83章 彼はいったい何を狙っているのか?!

古川グループを出た瞬間、須藤寧音は魂の半分を抜き取られたような心地がした。

人波の中を幽霊みたいに彷徨い、けたたましいクラクションに叩き起こされて、ようやく自分が赤信号を渡っていたことに気づく。あと一歩遅ければ、車に撥ねられていた。

運転手が窓から顔を出し、罵声を浴びせてくる。けれど寧音は反応すらできず、ぼんやりとしたまま歩道へ引き返した。

古川寒弥――あの計算だらけの顔と、胸の奥を抉る言葉が、毒々しい呪いみたいに脳裏へ貼りついて離れない。

自分がいちばん大切に抱えてきた「愛」を、いちばん鋭い刃に鍛え上げて――いちばん柔らかい場所へ突き立てられた。

ぞくり、と背筋が冷える。

寧音...

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