第91章 古川寒弥、頭がおかしか?

「航空券はもう手配した。今日中にネパールへ行く」

古川寒弥の声は氷のように冷たく、北城国際空港の喧騒に叩きつけられた瞬間、周囲の空気ごと凍りついた。

さっき引き返してきて、須藤寧音にひと言ふた言釘を刺そうとしていた小寺蘭と立花徹は、その台詞をはっきり聞いてしまう。

短い沈黙のあと、最初に爆発したのは小寺蘭だった。

「古川寒弥、あんたマジで頭おかしいの!?」

彼女は一歩で距離を詰め、心身ともに疲れ切った須藤寧音を背に庇う。男を睨みつけ、怒りを剥き出しにした。

「見えないの? 寧音、今さっき降りてきたばっかりだよ! それで休みもなしにネパール? 人として終わってる!」

立花徹の顔色...

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