第97章 とにかく、これですべてはすぐに終わる

小寺蘭はスマホを握りしめたまま、頭の中が真っ白になった。

想定していた可能性は数えきれない。香嚢に慢性毒が仕込まれているとか、神経系に作用する薬物だとか、あるいは稀少な成分だとか――。

けれど、まさか「完全に無害」だなんて、考えもしなかった。

「蘭? 聞いてるか?」

受話口の向こう、立花徹の声が彼女を現実へ引き戻す。

「聞いてる」小寺蘭は息を吸い込んだ。「徹、本当に? 今の技術じゃ検出できない成分が混ざってる可能性は?」

「国内トップのラボだ。機材も技術も世界水準」立花徹はきっぱり言い切る。「現代科学の認識を超えた「宇宙由来の物質」でも入ってない限り、見落とすわけがない。あれはた...

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