第100章

その話題を出すと、久美の顔つきもすっと沈んだ。

「向こうが嫌がってる?」久美は鼻で笑い、目の奥に刺すような凶さを宿す。「だから何よ。そんなの、あの子の都合で決まる話じゃないわ」

「蓮は源一の実の息子。血のつながりは動かないのよ。分けたくないって言ったって、分けるしかない」

「本気で裁判にでもなったらどうするの。世間に恥さらして、あの子のほうが耐えられると思う?」

「いま黒崎グループの代理会長だか何だか知らないけど、ああいうのって体面が命でしょ。揉めたら会社だって立ち行かなくなるわよ。そんなの、あの子が一番困るんだから」

蓮は聞きながら、確かに……と腹の底で頷いた。胸の奥に引っかかっ...

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