第101章

蓮は眉をひそめたまま、どうにも腑に落ちない感覚を拭えなかった。

黒崎美奈の性格を思えば、情け容赦なく切り捨てる女だ。そんな人間が、いきなり善意で自分を会社に入れるだなんて――あり得るのか。

そう考え込んでいた矢先、スマホが鳴った。表示された名前は、まさに黒崎美奈。

蓮は慌てて通話を取る。声は自然とへりくだった。

「……姉さん?」

「足、いつ治るの」

黒崎美奈の声はさっきと同じ。感情の起伏が一切読めない。

「い、医者が……あと半月くらいでギプス外せるって。外れたら普通に歩けるようになるって言ってました」

「そう」

淡々とした相槌のあと、黒崎美奈は用件だけを投げた。

「ギプス...

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