第114章

「弁護士が明日、面会に来る」

美月は余計な前置きをせず言い切った。

「そのとき、全部――一から十まで話しなさい」

「誰に脅されたのか。美咲がどうやって人を雇ったのか。どうやって“身代わり”を決めたのか。拘置所の中で何があったのか。隠し立ては一切なし」

「一言でも嘘をついたら、私にもどうにもできない」

「……分かってる」

拓真は小さくうなずいた。声が少し詰まっている。

「それと」

美月は彼をまっすぐ見た。

「供述を覆したら、一ノ瀬一族は必ずあんたに手を出してくる。覚悟しときな。土壇場でまた寝返るとか、絶対やめて」

「しない」

拓真の瞳に、ひとすじの憎しみが走った。

「…...

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