第18章

「大丈夫よ、拓真」

美咲がやわらかな声で言った。

「あなたは演奏しなくていいの。ステージに座っているだけで十分。そんな姿を見たら、お客さんはきっと私たちに同情してくれるわ」

まさか、そんなことを言うとは思わなかった。

拓真はかっと頬が熱くなるのを感じた。

長いあいだ、大事に守ってきた妹だ。

その妹が、自分の怪我を見世物にして憐れみを買えと言うなんて――。

「……分かった」

だが、長年しみついた習い性で、拒絶の言葉は結局口から出てこなかった。

やがて、チーム分けはすべて決まった。

美月のチームには湊、それに実力の高いバイオリニストが二人、さらにドラマーが一人。

美咲のチー...

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