第32章

隼人は大きく息を吸い込み、奥歯を噛みしめて言った。

「……分かった。条件をのむ」

久美は眉をひそめ、不機嫌そうに口を開く。

「『のむ』だけ? いつまでにやるの。蓮はまだ意識がない。目を覚ました瞬間、警察が動くわよ」

そして唇を薄く結ぶ。

「――私の息子を、ムショ送りにはさせない」

その言葉に、隼人の顔色はさらに悪くなった。

「やる。約束する」

「約束? 私は信用しない」

久美は容赦なく遮った。

「あなたたち、信用できる実績でもあるの?」

隼人はこめかみを押さえるように息を吐き、苛立ちを押し殺して言い返す。

「じゃあどうしろって言うんだ!」

「期限をはっきり言いなさい...

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