第36章

美月は眉をひそめ、箸を置いた。

「ちゃんと話して。そういう白々しい芝居、聞いてるだけで気分悪い」

浩一はふう、と息をつき、いかにも傷ついたような顔を作る。

「美月、家のことは全部聞いた。あいつらが悪かった。俺がちゃんと抑えられなくて、おまえに辛い思いをさせた。父さんが謝る」

謝罪。

前世の自分なら、欲しかったかもしれない。

けれど今の美月にとって、そんなものは何の役にも立たない。

欲しいのは許しじゃない。連中の破滅だけだ。

「謝る必要はないわ」

美月はぴしゃりと遮り、皮肉たっぷりの目を向けた。

「で、今日はわざわざ謝りに来たわけじゃないんでしょ?」

「どうせ隼人と拓真の...

ログインして続きを読む