第44章

源一の顔色が、さっと青ざめた。奥歯をぎり、と噛みしめる。

「美月、おまえ……調子に乗るなよ! 俺が一言口を利けば、音楽業界で二度と食えなくしてやれるんだぞ!」

「ええ、信じるわ」

美月は淡々と返した。

「でも、やれるものならやってみて」

「どっちが先かしらね。あなたが私を音楽業界から追い出すのが先か、それとも私があなたの大事な隠し子を刑務所送りにして、ついでに黒崎ホールディングスを潰すのが先か」

「貴様……!」

源一は全身をわなわな震わせた。生意気な小娘が、よくもそんな大口を――そう怒鳴りつけようとした、その前に。

通話は、ぷつりと切れた。

源一は激昂のあまり、スマホを床へ...

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