第75章

「……分かった」

湊は結局それだけ言って、小さくうなずいた。

「おまえも早く休め」

「何かあったら、いつでも電話しろ」

「うん」美月は笑ってみせる。「九条社長、おやすみなさい」

「おやすみ」

湊は彼女をじっと見つめ、踵を返した。

ドアが閉まる。リビングに静けさが落ちた。

部屋の隙間から、彩がひょこっと顔を出す。

「帰った?」

「うん」美月はうなずいた。

彩はそのまま出てきて、美月を上から下まで眺める。目が完全に野次馬だ。

「で、ぶっちゃけさ。九条社長と、どうなってんの?」

「どうって?」美月はきょとんとする。

「ほら……あんたたち二人……」彩は眉を上下させて、にや...

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