第104章

千凪が別荘に戻って間もなく、山荘から一本の電話が入った。

 家で急用ができたため、すぐに戻ってこいという内容だった。

 千凪はまた隆邦が悪巧(わるだく)みをしているのではないかと疑ったが、一方で芳江の計画がどこまで進んでいるのか気になり、戻ることにした。

 山荘に到着し、リビングに足を踏み入れた千凪は足を止めた。

 そこには、いるはずのない聡一郎の姿があったからだ。彼はソファに座り、八重と話し込んでいる。

 千凪は訝(いぶか)しげに眉をひそめたが、八重に向き直ると柔らかな笑みを浮かべた。

「おばあちゃん、急用があるって呼び戻されたけど、一体どうしたの?」

 八重は意味ありげな視...

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