第71章

千凪は驚愕のあまり、ベッドから勢いよく身を起こした。

 敬章が自分を家に招くなど、光弘との関係に釘を刺すつもりなのだろうか?

 今日、東郷グループで遭遇した時の光景を思い出し、千凪の心は不安で押し潰されそうになる。

 光弘はそんな彼女を一瞥し、淡々と尋ねた。

「どうした?」

「紗耶さんからメッセージが来たの。あなたのお祖父様が、私を家に招待して夕食を共にしたいって」

 シーツを整えていた光弘の手が止まった。彼は千凪のスマートフォンを受け取って画面を確認すると、すぐに突き返した。

「行きたければ行けばいい。気が乗らないなら、俺が断っておく」

 光弘はそう言うが、断ることなど不可...

ログインして続きを読む