第87章

「認めない! 絶対に嫌!」

 千尋は即座に声を張り上げ、目に涙を溜めて隆邦の腕にすがりついた。

「ねえパパ、ここはパパの会社でしょ? 後継者はパパが決めるべきよ。どうして私が千凪なんかと競わなきゃいけないの!」

 言いながら、千尋は千凪を憎々しげに睨みつける。

「あいつが持ってる株だって、本物かどうかわからないじゃない。仮に本物だとしても、会社全体がパパのものなんだから、あいつの株なんて一言で取り上げちゃえばいいのよ!」

 千尋のあまりに無知な発言に、居合わせた数名の株主たちは鼻で笑った。

「千凪君の保有株式に疑義があるなら、いつでも調査すればいい。だがね、君の父親だとしても、千...

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