第90章

「千尋と張り合う資格なんてお前にはない! 小さい頃から性根が腐っていて陰湿で、千尋の爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだ。時間稼ぎはやめろ、さっさとサインしろ!」

 隆邦は苛立ちを露わにして催促した。

 修一が怒声を上げた。

「隆邦、どうやってこの勝負に勝ったか知らないとでも思ってるのか? 数千万のプロジェクトを通して会社に数百万の損害が出るんだぞ。千凪の株を手に入れるために、手段を選ばないとはな!」

 隆邦の瞳に後ろめたさが走った。

 高みの見物を決め込んでいた他の株主たちも、修一の言葉を聞いては黙っていられなくなった。

「修一の言うことは本当か? 千万クラスの案件で数百万の赤字...

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