第92章

小雪は何度も力強く頷いた。

「あの人よ! 前に学校で茉莉ちゃんがいじめられてた時、助けてくれたのはあの人なの!」

 その瞬間、千凪の頭の中で何かが破裂したようだった。推測はしていたものの、確証を突きつけられ、指先が震えだす。

 SDカードは光弘の手にある。彼は中身を見たのだろうか。もし見たのなら、なぜ一言も触れなかったのか。

 以前、彼に茉莉の話をした時、彼は知らないと言った。あれは嘘だったのか? そこに何か深い秘密が隠されているのだろうか。

 千凪は、光弘と出会ってからの出来事を思い返した。彼の自分への感情は、あまりに急速に発展し、あまりに献身的すぎた。

 光弘のようなカースト...

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