第94章

廃倉庫の淀んだ空気の中、千凪はすでに丸一日以上何も口にしていなかった。

 極度の飢えに加え、全身の傷が疼き、意識が朦朧としている。

 千凪は、目の前でハンバーガーを美味そうに頬張る順平を見つめた。喉が鳴るのを止められない。

 順平は下卑た笑みを浮かべ、わざとらしくハンバーガーを千凪の鼻先に突きつけた。

「食いたいか? 食いたきゃ乞いな。俺様の機嫌が良くなりゃ、腹一杯食わせてからあの世に送ってやるよ」

 千凪は白けた視線を向けた。空腹で目が回りそうだが、気丈に振る舞う。

「あんたこそ、今のうちに食べておけば? 私を殺したら、もうそんなご馳走にはありつけないでしょうからね。考えてみれ...

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