第111章

清宮紬は、向かいにいる、すでに全身を小刻みに震わせ始めた男を真っすぐ見据えたまま、一歩、また一歩と追い詰めていく。

「あなたは案件を受ける前に、本人が行くか、もしくは助手を行かせて――“親族”を名乗る連中を焚きつける。年寄りが借金したことにする借用書の偽造を教え、家に押しかけて騒ぎ、断水だの停電だのに追い込んで、和解書にサインさせる」

「それで裁判のつもりですか」

清宮紬が冷たく笑う。

「あなたがやってるのは、強盗を裁判の形に包んでるだけ!」

法廷が、ひゅっと息をのむ音で満ちた。

浅野弁護士は机に両手を突いたまま、膝ががくがくと震え、口を開けたまま一言も出てこない。

清宮紬は、...

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