第113章

清宮紬はそれを受け取った。湯加減はちょうどよく、乾いた喉をすっと潤す。胃の奥まで、じんわり温まっていった。

「今日は、ちょっと派手にやりすぎたかな」

紬はカップを両手で包み、気のない調子で言う。

榊原冬真はコンソールボックスからウェットティッシュを一枚取り出すと、彼女の左手を引き寄せた。指先から、丁寧に拭き取っていく。

「恥も外聞もない連中には、派手なくらいが一番の反撃だ」

細部まで抜かりがない。指の股まで丹念に拭いながら、冬真は淡々と続けた。

「残りの後始末は森野耀にやらせた。浅野秋の事務所も、明日には資格を剥奪される」

紬は拒まなかった。握られた手を、そのまま預ける。

「...

ログインして続きを読む