第120章

清宮紬は、目の前の男をじっと見つめていた。

いろいろなことが、脳裏をよぎる。

ここまでの道のりで、彼はずっと彼女の盾になってくれた。

そして今夜も、地球を半周してまで――ただ彼女と一緒に、ひとつの旋律を探すために来た。

熱く、沸き立って、決して枯れないもの。

清宮紬はゆっくりと目を閉じ、深く息を吸い込む。

岩崎成夫の薄っぺらい作り笑い。白石琴音の罵声。岩崎真乃の腹の内。

それらが絡みついて離れなかった過去は、この瞬間、会場を揺らす歓声と、榊原冬真の瞳に宿るひたむきな想いにぶつかって、粉々に砕け散った。

清宮紬は、自分の中の力を掴んだ。

過去を真正面から受け止めて、それでも笑...

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