第124章

清宮紬が手にしていたスプーンを置くと、食卓の笑い声がふっと途切れた。

一斉に視線が彼女へ集まる。

「どうしたの、紬。スープ、口に合わなかった?」

美坂莉央がすぐさま不安げに尋ねた。

榊原冬真も顔を横に向け、深い眼差しで紬の小さな顔を捉える。感情の揺れを、見逃さなかったようだ。

清宮紬はナプキンを取り、口元を上品に押さえる。

それから主座にいる清宮誠太郎と美坂莉央へ視線を向けた。

「お父さん、お母さん。こんなに賑やかなのに、瑠奈がいないのはどうして? どこに行ったの?」

たった一言で、ダイニングは息を呑んだように静まり返った。

美坂莉央は料理を挟もうとした箸を、宙で止める。

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