第125章

清宮紬は深く息を吸い、目を開けて壁の掛け時計を見た。寝室の遮光カーテンは隙間ひとつないほどきっちり閉められている。

午後2時。――十四時間、眠り続けていたらしい。

隣のスペースは空っぽで、シーツにはあの男の淡い冷たい香りだけが残っていた。

浴室からはシャワーの音。もう起きているのだろう。

清宮紬は上体を起こし、張りつめたこめかみを揉む。

「……何かあった?」

電話の向こうで、高村美咲が間髪入れずに答えた。

「ボス、お休みは取れましたか?」

「用件だけ」

清宮紬はクローゼットへ向かい、黒のタートルネックと細身のスラックスを引き抜く。

「承知しました」

美咲はすぐ本題に切り...

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