第128章

美坂莉央は一拍置いて、気遣わしげに訊いた。

「紬、ケガしてない?」

清宮紬はコーヒーカップをつまんだ手を、宙で止める。

てっきり母は、清宮瑠奈のことで乗り込んでくると思っていた。

それが違う。瑠奈に傷つけられていないか、心配しているのだ。

「大丈夫」

清宮紬は薄く笑う。

「相乗りしたいって言われたけど断ったの。揉み合ったとき、あの子のダイヤのブレスレットで車のドアを引っかかれた」

電話の向こうで、間が空いた。声が数段跳ね上がる。

「え? 紬の車に傷? どうしてそんな不注意なの!」

「大したことじゃないよ。もうディーラーに入れてる」

清宮紬は淡々と言う。

「ねえママ。瑠...

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