第133章

企業文化もなければ緊急時の手順書もない。末端のスタッフの質まで、この有様。

清宮紬の口元が、嘲りをかたどった。

約束をすっぽかしておいて、連絡の一本も寄こさない。

清宮紬はこれまでの人生で、こんな門前払いを食らったことがない。

彼女は踵を返し、磨りガラスのドアを押し開ける。部屋の中の混乱を、背後へ置き去りにした。

見誤った。

それが、清宮紬による雨宇メディアへの最終評価だった。

車のドアを開け、運転席へ滑り込む。ウェットティッシュを数枚引き抜き、手を丁寧に拭った。

車は慣れた動きで駐車枠からバックで抜け、南五区を振り返りもせずに離れていく。

清宮紬は片手でハンドルを押さえ、...

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