第18章

会場内の大スクリーンに映るカウントダウンが、じりじりとゼロへ近づいていく。ざわめきも、波紋のように広がった。

清宮紬は指先で卓を軽く叩く。湯気の立つコーヒーが、すっと手元に置かれた。

「開始してから、2秒待って。……札は上げる。2000万上乗せ」

背後で短く返事がある。司会者が、競りの再開を告げた。

ところが――清宮紬が札を上げた途端、向かいの買い手は、まるでその場から消えたかのように反応しない。

カン、カン、カン。

三度の槌音。司会者は驚きを隠せない声で、落札を宣言した。

沈黙は一瞬だった。次の瞬間、会場の人間は蟻の群れみたいに席を立ち、ぞろぞろと引き上げていく。二階の個室を...

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