第21章

そう言い終えるや、榊原冬真は受話口の向こうから飛んでくる胸を裂くような叫び声など意にも介さず、画面下の通話終了を指で押した。

車内に残ったのは、荒い呼吸だけ。

清宮紬は清宮瑠奈に好感など欠片もなかったが、婚約破棄を言い渡されるのを生で聞かされると、さすがに気まずさが残った。

空気が、少しだけ固まる。

清宮紬は一拍おいて口を開いた。

「榊原さん。残念だけど、私の妹婿にはなれなくなったわね」

「妹婿」という単語に、榊原冬真は目を見開き、信じられないものを見るように清宮紬を見た。

あのとき病室で父親と大喧嘩して以来、彼は何度も人を使って清宮紬の身辺を洗わせている。だが、結果はずっと空...

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