第38章

画面越しだというのに、彼女には相手の落胆が手に取るように伝わってきた。

榊原冬真は、まるで罰として閉じ込められた子どもみたいに拗ねている。

「だって、約束したじゃん……」

清宮紬の瞳に、わずかな痛みが滲む。

本当なら――手を画面の中へ突っ込んで、電波をたどってでも榊原冬真を引っ張り寄せたかった。

けれどその瞬間、メッセージがまたひとつ弾けるように表示される。まるで「早く切れ」と急かすみたいに。

短い沈黙のあと、清宮紬はわざと明るい声を作った。

「手元にある?」

向こうで、ガサガサ、とレジ袋が揺れる音がする。

「ある。全部、ある」

清宮紬は片手をハンドルに置き、もう片方でそ...

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