第40章

清宮紬はスマホを背中に隠し、流し目ひとつで、どこか薄情めいた冷たさを滲ませた。

「ダメ。運転に集中して」

榊原冬真の伸ばしかけた手が宙で止まり、ためらうように、少しずつ引っ込む。

その瞬間、車内のスピーカーがけたたましく長音を鳴らし、窓の外でゆっくり流れていた景色が、一気に後ろへすっ飛んだ。

瞬く間に、前方の車を十数台、立て続けに追い越す。

榊原冬真は機嫌悪そうに鼻を鳴らす。

「……うっとうしい」

清宮紬は、今しがた光った画面をすぐに消し、面白がるように首をひねって彼を見た。

窓の外はもう夜に沈み、榊原冬真の横顔の輪郭を、いっそう鋭く浮かび上がらせている。

彼は彼女の視線に...

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