第41章

足音が近づくにつれ、周囲のざわめきは沸点に達しかけていた。

「ちょ、待って。あの子……どこかで見たような」

「声、抑えろって。岩崎成夫に家を追い出された養女だろ」

「言われてみれば――でも、実の親が住んでるスラム街に送られたって話じゃなかった? なんで榊原冬真のそばにいるんだよ」

「だから小声にしろって! 岩崎さん、まだここにいるんだぞ!」

「面白くなってきたな」

屈強な警護が通ると、人波は自然に左右へ割れ、一本の道ができた。

榊原冬真は清宮紬より先に岩崎成夫の姿を見つけ、咄嗟に腕を伸ばして彼女を庇うように引き寄せた。

料亭・八仙での一件と、病室での偶然の再会――あれ以来、あ...

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