第49章

その言葉に、場にいた者たちは一斉に顔色を変えた。まるで自分の未来を突きつけられたみたいに。

だが清宮紬だけは無表情のまま、入口を塞ぐ連中を素早く見回し、すっと腕を伸ばして人混みを指した。

「あなた」

人々は慌てて道を開ける。まるでその指先からレーザーでも飛んでくるかのように。

最後に残ったのは、警備員の制服を着た猫背の老人ひとり。周りが一斉に退いたせいで、きょとんとした顔で立ち尽くしている。

さっき会社の正門で、清宮紬の車を止めた――あの老人だった。

「え? わし……ですか?」

清宮紬の張りつめた表情に、ほんのわずかな柔らかさが差した。

「覚えてませんか。さっき、私の車を止め...

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