第61章

空港へ向かう道中、榊原冬真もどこか思い詰めた様子だった。清宮紬がいくら問いただしても、理由だけは頑として口にしない。

そうされればされるほど、紬の好奇心は歯止めが利かなくなる。

やがて車が空港に着きそうになった頃、紬は掌をひらりと見せ、そのまま冬真の目の前へ差し出した。

冬真がきょとんと顔を上げる。

「……何だよ」

紬は振り返らない。代わりに、すらりとした指をくい、と一度だけ曲げた。

「スマホ。貸して」

冬真は逡巡しながらも端末を取り出す。紬は手慣れた動きでロックを解除し、画面を強めに数回タップしてから、何事もなかったように返した。

画面は点いたまま。そこに表示されていたのは...

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