第80章

その光景に、渡辺美菜の顔色がようやく変わった。固く結ばれていた唇がぱっと開き、目もまん丸に見開かれる。

「あなたたち……まさか、反乱でも起こす気?」

相手は取り合わない。ただ歯をぎりっと下唇に食い込ませ、血の気が引くほど白く噛みしめる。

「……こっちだって、やむを得ないんだ。早く行け」

そう言うなり腕を振り抜かれ、渡辺美菜は病室の入口へ放り投げられた。よろよろと起き上がると、室内の面々を怨みがましく睨みつける。

「内田杏子……随分と出世したじゃない。こんな女を連れてきて、後ろ盾にするなんて。覚えてなさいよ。あんたたち、全員……覚えてなさい!」

吐き捨てると、彼女は転げるようにして...

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