第4章

 彼の目がさっき勢いよく起き上がった拍子に開きかけた――机の右下、いちばん下段の引き出しに落ちたとき、まだ頭の中がぐらぐらしていた。

 衝動のまま手を伸ばし、引き出しを引いた。

 黄ばんで古びた法科大学院の講義ノートが分厚く積まれ、そのさらに奥深くに、プラスチック製の蝶々のヘアクリップが埋もれていた。

 息が詰まる。色褪せたそのクリップ――見間違えようがない。

 一年のときに失くしたやつだ。寮の部屋をひっくり返してまで探したのに見つからなかった。涼真が拾って、ずっと持っていたんだ。

 ふいに思い出す。前の人生で、彼がひとりで私の遺体を引き取りに来たとき――黒いスーツのポケットから、...

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