第6章

午前二時。狩りには絶好の時間だ。

私はベッドを抜け出した。隣では林田祐二が安らかに寝息を立てている。皮肉なものだ。彼を破滅させるための装置を私が仕掛けている間、当の本人はこんなにもぐっすり眠っているのだから。

地下室は影と監視用ライトの青い光が入り乱れる迷宮のようだった。彼らの陰謀に気づいて以来、私は必死で軍用グレードの録音機材を調べ、林田祐二自身のクレジットカードを使って購入していた。

完璧な釣り合いだ。

「これでどんな囁き声も捉えられる」桜井直人が設置を手伝ってくれた、なめらかな黒い装置に私はそう呟いた。この家が安全な場所だと思ってる? 考えを改めることね。

装置が静...

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