第19章 真田社長は何だか違うようだ

相馬蛍のポケットのスマホが、いきなりけたたましく鳴った。静まり返った部屋にはやけに耳障りで、彼女はびくっと肩を跳ねさせ、そのまま背筋を伸ばして座り直す。

真田辰則の探るような視線も、ちらりとこちらへ向いた。

彼はリビングのバーカウンターにもたれ、長い身体を気だるげに預けたまま、のんびり言う。

「誰? 地球の裏側にいる旦那からの電話?」

この時間帯なら、あり得なくもない。

けれど相馬蛍は、少し考えるだけで相手が分かった。真田辰則に乱されていた感情が、すうっと引いていく。

スマホを取り出して画面を見る。やっぱり――心に浮かんでいたその人だった。眉尻にぱっと笑みが灯り、彼女はスーツケー...

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