第24章 真田社長は機嫌が良くて、何でも話が通じる

相馬蛍は部屋へ戻ると、扉を閉めた。胸の奥がまだ小さく震えている。布団にもぐり込み、ぐるぐると身体を巻いて、頭だけをちょこんと出した。

目の前には、窓の外の灯りの海。夜更けだというのに、ひとつも消える気配がない。しばらく迷ってからベッドを降り、カーテンをきっちり引き寄せた。

翌日――相馬蛍が目を覚ましたのは、目覚ましでも仕事の電話でもなかった。

礼儀正しく、けれどやけに柔らかなノックの音。その音に引き上げられるように、ゆっくり意識が浮上する。

「……どなた?」

眉を寄せて呟いた、その直後。

扉の向こうから、ひんやりとした声が、からかうように届いた。

「相馬嬢は休暇で来たのか、仕事...

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