第36章 彼女は俺の奥様

相馬蛍が視線を走らせると、ちょうど満面の笑みを浮かべた水原初歌と目が合った。

初歌はやけに薄着で、肌がやわらかな光をはね返している。

真田辰則が、彼女にこんな格好をさせて外へ出すなんて。

ほかの男に見られても平気なの?

蛍はふと思い出す。以前、スカートが少し短かっただけで、辰則に頭ごなしに叱られたことがあった。

――やっぱり、大事な相手には違う。

何をしても許せるんだ。

初歌はわざと男の腕に体を預け、甘ったるい声を作った。

「辰則さん、午後ずっと付き合ってたらお腹すいちゃった」

辰則の気だるげな視線が、なぜか蛍へ向く。声色は平坦だった。

「じゃあ座って食え」

意味の読め...

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