第56章 すぐに彼女を追い出すべきではないのか!

その頃。

黒木礼は数人の令嬢たちをようやく振り切り、ぶらりと裏庭の東屋へ足を向けた。

S市の十一月。初冬の気配が日に日に濃くなる。

夜の帳が下り、築山の脇に据えられた灯りがゆらりと揺れて、砕けた光がいく筋も地面を滑る。伸びた影は定まらず、掴みどころがない。

「八島が、二人が部屋に入るのを確認しました」

傍らで報告したのは南郁だ。

黒木礼は顔だけを向け、革のパンツに短髪の女を一瞥する。鼻で笑うような、かすかな嘲り。

「入ってから、どれくらいだ」

「……ちょうど四十五分です」

南郁は口元をきゅっと結んだ。

男女が一室で四十五分。火のついた薪みたいなものだ。次男の奥さま、度胸が...

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