第88章 刀を彼の身に突きつける

罵られたっていうのに、あんな上機嫌な顔をする人がどこにいる。

真田辰則は、きっと何か企んでいる。

相馬蛍は俯いて黙々と箸を動かし、それ以上は何も言えなかった。

食事が終わると片づけを手伝おうとしたが、真田辰則は「俺がやる」と言って彼女を台所から追い出した。

そう言うなら、遠慮はしない。

自分のために水を一杯注いだ、そのときだった。視界の端で、食卓に置かれた真田辰則のスマホが、真っ黒だった画面をぱっと灯す。

届いた通知が、やけに目に刺さった。

水原初歌「辰則さん、伊織が熱を出して泣き止まないの。金糸苑まで来て、病院に連れて行ってくれない?」

相馬蛍は危うく水を噴きそうになり、喉...

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