第105章

宮原江太郎はゆっくりと濁った息を吐き、財布からキャッシュカードを一枚取り出して彼の手に握らせた。無理やり笑みを作る。

「豪介、退院したばかりだろ。医者にも言われたはずだ、感情を荒らすなって。このカードに400万入ってる。栄養のあるものでも買え。ほら、ずいぶん痩せたじゃないか」

温井豪介の胸がどくんと跳ね、歓喜が爆発する。

「ありがとうございます、宮原おじさん!」

まさかこんな棚ぼたがあるとは。400万――この入院で味わった苦痛なんて、全部帳消しだ。

宮原江太郎は慈愛に満ちた顔で彼の肩をぽん、と叩いた。

「上でゆっくり休め。夕飯の時間になったら松村に呼ばせる」

思いがけない大金を手...

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