第107章

宮原江太郎は頬の皮を引きつらせ、目の奥に獣じみた憎悪を一瞬だけ走らせた。

――宮原ミナミがこの件にいつまでも食らいついて離さないのが、心底気に入らない。

優子とは幼なじみで、一緒に育ってきた。ならば自分が彼女と結婚するのは、当然じゃないか。

だが目的はまだ果たせていない。宮原江太郎は再び唾を飲み込み、屈辱を噛み殺して笑ってみせた。

「何を言ってるんだ。美奈子は11月生まれだ。お、俺が……いや、俺が一時の気の迷いで……」

視線が泳ぎ、頭の中で言い訳が電光石火に組み上がる。

「そのとき、お前の母さんは妊娠してた。優子は昔の同級生で、急に頼みごとがあるって押しかけてきて……酒も入ってたし...

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